第1回 壁は成長して乗り越えれば良い
僕が生業としている心理カウンセラーの仕事とは、心の病に対処することです。
皆さんがよくご存じの鬱病、ひきこもり、過食症、拒食症、幻覚、幻聴、あるいは、もっと軽いもので夫婦問題、恋愛問題、友人問題などの人間関係の相談も請負います。
この心の病とは何でしょう?
生きている間には、ところどころで壁が現れます。この壁は、当たると痛いわけです。痛いときに、鳴く人、怒る人、外に出たくなる人、たくさん食べたくなる人、気分が落ち込んでやる気が出ない人もいます。人によって出方が違うのですが、それは辛さの表現です。どんなに辛いかということを外に表現しているに過ぎません。心の病とは、こういうことです。
このとき、精神薬は何をしてくれるかといったら、痛み止めをしてくれます。
一方、カウンセラーが何をするのかというと、あなたの人生に出てきた壁なのだから、あなたが成長して乗り越えれば良いのだと伝えます。
小学生の子どもにとって、次の日の宿題ができてなかったら、生きるか死ぬかです。ところが、中学生になったら、なんてことなくなります。でも、友達と喧嘩したとなるともう大変です。これも、高校生になったら、友達と喧嘩するくらいたいしたことではなくなります。
この壁というのは、その人の精神レベルによっておきてくるものです。だから、意識や考え方、価値観が変われば、抜け出せるのです。
人は、精神的には死ぬまで成長します。成長すれば、壁なんか勝手に消えてなくなるのです。自分で壁を乗り越える強さを身につけることが大事です。